尊厳 ―その歴史と意味
マイケル・ローゼン 岩波書店 2021年
9 「尊厳」という言葉の使われ方にバリエーションがある
15 もともと「尊厳」は、高い社会的身分を示す概念
26 尊厳を歴史的に説明しようとすれば、必ず、カントの尊厳の思想をその中心に据えることになる
93 尊厳の喪失=「喜劇」
ユーモアと尊厳の喪失とのつながりが喜劇の中心にある
164 誰かの尊厳に敬意を払おうとすれば、その人を「尊厳をもって」扱わなければならない
→その人を貶めたり、侮辱したり、軽蔑を表明したりしてはならないということ
184 カントの倫理学
義務の倫理学
→私たちには、敬意を込めて、かつ敬意を受けるに値するようなやり方で、行動する義務がある。
191 自尊心=他者からの敬意
→私たちが、自分たちの内部に有している価値の象徴を表現するようなやり方で行動した場合、私たちは敬意を受ける資格を持つことになる
218 ローゼンによれば、尊厳には3つ(ないし4つ)の構成要素があるという
①地位としての尊厳・・・前近代の社会
②本質としての尊厳・・・自律
③態度としての尊厳・・・ 逆境にあっても自制心を失わない
④敬意(respect)
221 尊厳とは、尊く①、厳かで③、不可侵である②
↓
複合的に定義された尊厳に敬意を表するところにおいて④が生まれる。